研究資料(読書用私家版ノート)
Jackie Pigeaud,
La maladie de l'âme(Les Belles Lettres, 1981)
章構成と頁対応
架蔵スキャンPDF(全299画像頁=印刷588頁)を読み進めるための手引き ※本紀要論文群との関連箇所を付記
一、書誌(スキャン本体より確認)
Pigeaud, Jacques, La maladie de l'âme : étude sur la relation de l'âme et du corps dans la tradition médico-philosophique antique, Paris, Société d'édition « Les Belles Lettres », 1981, 588 p. 奥付(PDF最終頁):Achevé d'imprimer en mai 1981, Imprimerie F. Paillart, Abbeville. Dépôt légal : 2e trimestre 1981。序(Avant-propos)によれば本書はアラン・ミシェル(Alain Michel)指導の国家博士論文を基とし、審査員にグルメク(Grmek)、グリマル(Grimal)らを含む十年の仕事の成果である。(※副題は流布書誌形。標題紙の文言そのものは低解像度につき、原本頁での最終確認を推奨。)
二、頁換算——印刷頁 ⇄ PDF頁
スキャンは印刷2頁分がPDF1頁に収められている。換算式(実測3点で検証済み:印刷292頁→PDF150頁、印刷586頁→PDF297頁、印刷588頁→PDF298頁):
PDF頁 ≒ (印刷頁 + 8)÷ 2(端数切り上げ)
印刷頁 ≒ PDF頁 × 2 − 8(当該PDF頁の後側。前側はその−1頁)
PDF頁 ≒ (印刷頁 + 8)÷ 2(端数切り上げ)
印刷頁 ≒ PDF頁 × 2 − 8(当該PDF頁の後側。前側はその−1頁)
三、章構成(目次頁のOCRに基づく再構成。頁欠は「—」)
下表の印刷頁は目次記載、PDF頁は上式による換算値。◆印は本紀要論文群との関連注記。
| 章 | 内容 | 印刷頁 | PDF頁(換算) |
|---|---|---|---|
| 序論 | 「魂の病」の概念、médico-philosophique な伝統の設定、対象コーパスの画定、研究計画 | — | 巻頭 |
| 第Ⅰ章 | 医師たちの精神病理学——『神聖病論』『体液論』第9章における魂身関係、ガレノスのプラトン主義(『ティマイオス』の生理学、肝臓の役割)。第二部「諸疾患」:フレニティス(座の問題、クロキュディスモス、脈)、アスクレピアデス、マニー(定義 p.100、治療 p.107)、恐水病 p.112、メランコリー(定義 p.122、マニーとの関係、エスキロールのリペマニーへの言及節) ◆メランコリー節とリペマニー節は pinel-virgile 第4節(エスキロール1805年論文・リペマニーへの布石)および別稿「躁鬱混合状態論の系譜」の背景として直接有用。 | 〜142頃 | 〜75頃 |
| 第Ⅱ章 | 原子論者たちと魂の病——エピクロスの健康、快の限界論、エピクロス的身体、アスクレピアデス(自然と法、反生気論、機械論 p.188)、ルクレティウスと魂の病(魂身関係 p.196、伝染の認識論 p.211、ペスト p.226、伝染の倫理学 p.236) ◆補注(二)で触れたルクレティウス第4巻の「恋の病理学」の思想的基盤。 | 143?–242 | 76–125 |
| 第Ⅲ章 | ストア主義と魂の病——クリュシッポスとキケローの「健康」p.245、キケローからウルピアヌスへの医学の展開 p.256、フロールとメランコリー p.259、クリュシッポスにおける情念 p.265、走行の比喩 p.267、キケローの二元論 p.273、『トゥスクルム』とポセイドニオス p.276、魂の病と身体の病のアナロジー(Tusc. IV.x.23以下)、proclivitas 概念(p.292前後)、メトリオパテイア批判、「情念は何の役にも立たぬ」、賢者の狂気の問題、セネカ『怒りについて』の生理学と道徳(propatheia)、『ルキリウス宛書簡』における魂の健康 ◆pinel-virgile 3-2(アパテイア/メトリオパテイア、注[8])の学問的裏づけの中核。補注(三)の「エウリピデス→クリュシッポス→ガレノス→キケロー」回路のうち哲学側の照合はまずこの章で行える。 | 243–372頃 | 126–190 |
| 第Ⅳ章 | 悲劇と魂の病——「メデイアの臓腑」p.378頃:エウリピデスのメデイアの病、セネカのメデイア、メデイアの狂気、メデイアという存在の一貫性。ヘラクレスの病と賢者の狂気(『狂えるヘラクレス』、狂気の徴候)、無意識礼賛 p.414、医学と劇(Médecine et drame)、オイタ山上のヘラクレス ◆補注(二)のエウリピデス『メデイア』1079行をめぐる議論(クリュシッポスによる引用・ガレノスの論及)の照合は、第Ⅲ章と本章の当該節で可能となる見込み——照合が済めば補注の「孫引き・原典確認中」標識を更新できる。 | 373–440 | 191–224 |
| 第Ⅴ章 | エウテュミア——魂の病の認識と治癒——エウテュミアの定義、医師のエウテュミア、哲学者たち、偽ヒポクラテス書簡群とデモクリトスの人物像(デモクリトスとアブデラ人の「健康」、病の徴候、デモクリトスの演出、狂犬病について)、葡萄酒とエウテュミア p.441以下 ◆「笑う哲学者」デモクリトス診察譚はメランコリー史の古典的挿話。別稿の不安概念史・メランコリー系列の背景として。 | 441–582頃 | 225–295 |
| 後付 | 文献表(古代著者/研究)、Index locorum・nominum・rerum(Furor, Hallucination, Hypochondrie 等の項あり)、目次 | 〜588 | 〜298 |
四、本紀要の目的に即した読み順の私案
- 最優先:第Ⅲ章(PDF約126–190頁)——ピネル情念論の古代的水脈(キケロー『トゥスクルム』第3–4巻の「魂の病」論)を専門家の整理で押さえられる。キケロー原典に取り組む前の最良の道案内でもある。
- 次いで第Ⅳ章のメデイア節(PDF約191頁以下)——悲劇→哲学→医学という回路の結節点。pinel-virgile 補注の孫引き標識二箇所の照合材料。
- 拾い読み:第Ⅰ章のメランコリー節(印刷p.122以下→PDF約65頁)——リペマニーへの言及を含み、エスキロール論(第4節)と響き合う。
本資料は架蔵スキャンPDFの目次頁OCR(英語モデルによる暫定読取)に基づく私的な読書用手引きであり、頁数・綴りには誤読が残りうる。引用・公表の際は必ず原本頁で確認のこと。作成:2026年7月9日。
← 本資料を参照する論文:「ピネルの古典的素養と情念の臨床化」注[12]
← 本資料を参照する論文:「ピネルの古典的素養と情念の臨床化」注[12]