食物および身体との関係をめぐる障害
本章は ICD-11 において「食行動症または摂食症群」と総称される一群の障害を概観する。本群は、食物摂取または摂食行動における異常を中核とする。その異常は、他の医学的状態では説明されず、その年齢の発達段階や文化的に受け入れられる範囲を超えるものとして定義される。本書の関係諸職種にとって、本群の障害、とくに神経性やせ症および神経性過食症は、青年期から若年成人にかけて発症することが多い。そのため、学校保健・大学保健・産業保健の場面で、休復学・休復職の判断と支援にしばしば関わることになる。また神経性やせ症は、疫学研究において、精神疾患のなかで最も高い死亡率を示す疾患群の一つとされる。医療連携の判断において、本書の関係諸職種が果たす役割は決して小さくない。
本群は二つの下位群に分かれる。すなわち、食行動症(feeding disorders)と摂食症(eating disorders)である。両者を分けるのは、体重や体型への懸念が病像の中心にあるかどうかである。食行動症は、体重や体型への懸念とは関係しない、食行動そのものの障害を中核とする。具体的には、栄養にならない物質を食べること、食物を意図的に胃から戻すことである。これに対して摂食症は、異常な摂食行動と、食物への過度のとらわれを中核とし、多くの場合、体重または体型への強い懸念を伴う。なお、食行動症にあたる異食症および反芻-吐き戻し症は、ICD-10 では児童期の障害として位置づけられていたが、ICD-11 では生涯にわたって診断しうるものとして再編されている。
ICD-11 における本章の整備には、ICD-10 までの分類体系からのいくつかの重要な転換が含まれる。第一に、むちゃ食い症(6B82)が独立した診断カテゴリーとして新設された。本症は ICD-10 では独立した診断として認められておらず、不定型摂食症の枠内で扱われていた。DSM-5(2013)における正式採用と並行して、ICD-11 においても診断的な足場を得た。第二に、回避・制限性食物摂取症(6B83)が新設された。本症は ICD-10 にはなかったものである。児童期の選択的摂食(食べられるものが極端に限られること)という現象が、青年期および成人期まで続く病像も含めて、定義し直された。第三に、神経性やせ症の診断要件が変更されたことが重要である。低体重の一般的な目安として BMI 18.5 kg/m² 未満(成人)が示され(必須の要件そのものは、本人の身長・年齢・発達段階・体重歴に照らして著しく低い体重である)、また、体重増加へのはっきりとした恐怖が必須の要件から外された。これにより、後段で述べるアジア圏における非「肥満恐怖型」の臨床像を、診断のうえで整合的に扱えるようになった。
本群はまた、強い文化的配慮が必要な障害群である。臨床的判断において常に意識すべきものとして、体重や体型に関する文化的規範、食物や断食のもつ象徴的・儀礼的な意味、そして健康を評価する際の文化的基準と医学的基準(BMI、ウエスト周囲径)とのずれが挙げられる。CDDR(ICD-11 の臨床記述と診断要件)は、やせた身体を理想とする身体像が世界的に広まったこと——マスメディアを介して、女性については低体重の、男性については筋肉質の体型のイメージが拡散したこと——が、世界各地における摂食症の有病率(その病気をもつ人の割合)の上昇に寄与してきたと指摘する。同時に、世界的な肥満の流行が、摂食と体重への社会的な懸念をいっそう強めてきたことにも注意を促している。
本章には、神経性やせ症(6B80)、神経性過食症(6B81)、むちゃ食い症(6B82)、回避・制限性食物摂取症(6B83)、異食症(6B84)、反芻-吐き戻し症(6B85)の六つのカテゴリーが含まれる。このほか、残遺カテゴリーとして、他に特定される食行動症または摂食症(6B8Y)と、食行動症または摂食症、特定不能(6B8Z)が設けられている。
本人の身長・年齢・発達段階・体重歴に照らして著しく低い体重を、中核の要件とする障害である。成人においては BMI 18.5 kg/m² 未満が一般的な閾値とされる。急速な体重減少(例:6 か月以内に総体重の 20 % を超える減少)も、他の診断要件が満たされている限り、低体重に代わる要件として認められる。児童・思春期においては、年齢別 BMI が 5 パーセンタイル未満であること、または本人の発達の道筋に照らして期待される体重増加が認められないことが基準となる。低体重は、他の医学的状態や、食物が手に入らないことによって説明されないものでなければならない。
診断のもう一つの中核は、低体重をつくり出す、または維持することを目的とした、制限的な摂食行動その他の行動が持続的なパターンとして認められることである。エネルギー摂取を減らすための行動としては、絶食、低カロリー食の選択、極端に遅い少量の摂食、食物を隠す・吐き出す、自己誘発嘔吐(自分で嘔吐を引き起こすこと)、下剤・利尿剤・浣腸の乱用、糖尿病患者におけるインスリン投与の意図的な省略が挙げられる。エネルギー消費を増やすための行動としては、過剰な運動、運動性多動、寒冷曝露(意図的に寒さに身をさらすこと)、エネルギー消費を増やす薬剤(精神刺激薬、やせ薬、減量を目的とするハーブ製品、甲状腺ホルモン等)の使用が挙げられる。これらは、しばしば組み合わさって認められる。
体重または体型への過度のとらわれが認められることも要件となる。このとらわれは、低い体重が過大に価値づけられて本人の自己評価の中心を占めている、または自分の体重や体型が正常である、あるいは過剰でさえあると不正確に認識されている、という形をとる。ただし ICD-11 では、体重増加へのはっきりとした恐怖が言葉で表明されることは、必須ではないとされる。体重を低く保つ行動が意図的であり、かつ体重・体型へのとらわれを示す他の行動上のしるし(体重・体型を繰り返し確認する、極端に避ける)が認められれば、診断要件を満たしうる。CDDR によれば、その場合にも、摂食制限が体重を減らす、または体重増加を防ぐ意図に動機づけられているという結論を、臨床的観察または周囲からの情報が裏づけていることが条件となる。この緩和は、CDDR がアジア圏における非「肥満恐怖型」の臨床像——胃腸の不快感や宗教的・文化的な動機を表向きの理由とする摂食制限——を、診断から取りこぼさないために設けたものである。
ICD-11 は本症について重要な特定子(診断に付け加える下位区分)を整備した。低体重の重症度については、有意に低い体重(成人では BMI 18.5–14.0 kg/m²、児童・思春期では年齢別 BMI が第 5 パーセンタイルと第 0.3 パーセンタイルのあいだ)と、危険なほど低い体重(成人では BMI 14.0 kg/m² 未満、児童・思春期では年齢別 BMI が第 0.3 パーセンタイル未満)とが区別される。後者は、身体合併症の増加と死亡率の著しい上昇に関連する、重要な予後因子である。体重関連行動のパターンについては、制限型と、むちゃ食い-排出型とが特定される。むちゃ食い-排出型には、むちゃ食いエピソードを示すが排出行動は行わない人も含まれる。さらに、回復期の特定子も設けられた。これは、健康な体重に回復した人についても、完全で持続的な回復が達成されるまで診断を保持する、というものである。完全で持続的な回復とは、CDDR の記載に沿えば、治療終了後、健康な体重の維持と、体重を減らすための行動の消失とが、一定期間(例:少なくとも 1 年)続くことをいう。本症は青年期および若年成人(10–24 歳)に発症することが多く、ストレスの強い生活上の出来事がきっかけとなることが多い。慢性の経過をたどる症例も少なくない。医学的合併症および自殺による早期死亡のリスクが高い点が、本群のなかでも本症をとくに重大なものとしている。
頻回に繰り返されるむちゃ食いエピソードと、体重増加を防ぐための不適切な代償行動(埋め合わせの行動)の反復とを、中核の要件とする障害である。むちゃ食いとは、限られた時間(例:2 時間程度)のなかで、食べることをコントロールできない感覚を伴いながら、通常より明らかに多い量の食物を食べること、または通常とは異なる仕方で食物を食べることをいう。代償行動としては、自己誘発嘔吐——むちゃ食いのあと一時間以内に行われることが多い——のほか、絶食、利尿剤・下剤・浣腸の乱用、糖尿病患者におけるインスリン投与の意図的な省略、過剰な運動が挙げられる。ICD-11 では、むちゃ食いエピソードと代償行動のいずれについても、少なくとも 1 か月間にわたって週 1 回以上の頻度で生じることが診断の要件とされる。これは、DSM-5 の定める 3 か月間という期間の要件よりも短い設定である。加えて、むちゃ食いと不適切な代償行動のパターンについての著しい苦痛、または生活の重要な機能領域における意味のある障害が認められることも、診断の要件である。
体重または体型への過度のとらわれは、本症の診断要件である。ただし本症の患者は、神経性やせ症の診断要件を満たすほどの低体重を示さない。この点で前者と区別される。本症は青年期から若年成人にかけての発症が多く、ストレスの強い生活上の出来事がきっかけとなることが多い。神経性やせ症の制限型から本症へ移行することが認められる場合がある。その場合、低体重が診断要件を満たさなくなった状態が一年以上続いた時点で、診断を本症に変更することができる。
排出行動の手段は文化によりさまざまである。CDDR は、アジア・太平洋地域における漢方下剤や、本邦における海藻茶・ハーブ茶の使用を例に挙げている。本書の関係諸職種は、本症の評価において、これらの手段が「健康的」と見なされている文脈のなかで進行している場合があることを、念頭に置く必要がある。
頻回に繰り返されるむちゃ食いエピソードを中核の要件とする障害である。神経性過食症と異なり、体重増加を防ぐための代償行動を伴わないことを特徴とする。診断の要件は、少なくとも 3 か月間にわたって週 1 回以上のむちゃ食いエピソードがあり、かつ症状について明らかな苦痛、または生活の重要な機能領域における意味のある障害を伴うこととされる。なお、週に複数回のむちゃ食いエピソードがあり、それが著しい苦痛を伴っている場合には、より短い期間(例:1 か月)で診断を与えることが適切なこともある。本症は本邦においても近年知られるようになってきた。しかし、肥満との連続性のなかで「自業自得」と見なされやすく、他の精神疾患以上に偏見の対象となりやすい障害群でもある。
本症は ICD-11 で新設された診断カテゴリーであり、その採用のときには国際的な議論があった。DSM-5 への採用に対して批判的な立場をとった論者からは、二つの懸念が表明された。第一に、本症は日常的な過食との境界を曖昧にし、過剰な診断を招くのではないかという懸念である。第二に、薬物治療への安易な依存——とくにアメリカにおいて、リスデキサンフェタミンが本症に対して FDA 承認を受けたことをきっかけとする——を招くのではないかという懸念である。これに対する応答として、次の点が指摘されている。本症は、遺伝・生物・環境・心理社会的要因が関与する複合的な障害である。未治療の場合には、肥満、2 型糖尿病・高血圧等の代謝合併症、そして複数の併存する精神疾患を伴う長期の経過をとる。標準化死亡比(同年代の一般人口と比べた死亡率の高さ)は、研究文献において 1.5–1.8 と推定されている(この数値は CDDR によるものではない)。また、本症の発症リスクは、社会的少数者であること、貧困・暴力・トラウマへの曝露と関連することが疫学的に示されている。ここから、本症を社会的(不)正義の側面を含む障害として理解する観点も提示されている。第一選択の治療として国際的に支持されているのは心理学的介入であり、薬物治療を中心とする臨床戦略は推奨されていない。(治療に関するこの記述は診療ガイドライン等の文献によるものであり、CDDR は治療に関する推奨を含まない。)
本症は他の摂食症と比べて、地域・民族・性別による分布の偏りが小さい。低中所得国においても、高所得国と同等以上の有病率を示す。発症は青年期および若年成人期に多いが、それより遅い時期の発症もまれではない。本症の治療を求める患者の年齢は、他の摂食症より高い傾向にある。
食物摂取の回避または制限を中核とする障害である。その結果として、栄養必要量を満たせないことによる問題が生じる。すなわち、意味のある体重減少、栄養欠乏、経口栄養補助または経管栄養への依存、身体的健康への悪影響である。あるいは、生活の重要な機能領域における意味のある障害(食事を伴う社会的場面に参加しにくくなる等)が生じる。本症の決定的な特徴は、こうした食事行動のパターンが、体重または体型へのとらわれによって動機づけられていない点にある。食物摂取を制限する理由としては、食事への関心の乏しさ、特定の感覚的特徴(匂い・味・外観・舌触り・色・温度)をもつ食物の回避、食事に伴う有害な結果(窒息・嘔吐・健康被害)への懸念が挙げられる。過去の嫌な食体験(特定の食物で窒息しかけた、嘔吐した経験)と関連する場合もあるが、はっきりした先行の出来事が見当たらない場合も多い。
本症は ICD-11 で新設された診断カテゴリーである。ICD-10 における児童期の選択的摂食という枠を超えて、青年期および成人期まで続く病像を診断のうえで捉える枠組みを提供する。第 1 章で扱った自閉スペクトラム症との併存が認められることがあり、感覚的な過敏さに基づく食物の制限が中核となる場合がある。自閉スペクトラム症の臨床的な中核(社会的コミュニケーション・相互的な社会的やりとりの持続的困難、限定的・反復的・固定的な行動・関心・活動のパターン)は、本症の診断要件には含まれない。両症の診断要件をともに満たす場合は、両方の診断を併記しうる。
神経性やせ症との鑑別(見分け)は、低体重を維持する行動の動機がどこにあるかによる。神経性やせ症では、やせたいという欲求または体重増加への強烈な恐怖が動機の中核にある。これに対して本症では、体重・体型へのとらわれが動機になっていない。経過の途中で体重・体型への懸念がはっきりと現れてきた場合は、神経性やせ症への診断変更が必要となりうる。逆に、神経性やせ症と診断された人において、摂食行動が変化し体重が増加した後もなお体重・体型への懸念が現れないままである場合には、本症へ診断を変更するのが一般に適切とされる。
異食症(6B84)は、栄養にならない物質を規則的に摂取することを中核の要件とする障害である。対象となるのは、食物でない物体や材料(粘土・土・チョーク・漆喰・プラスチック・金属・紙等)、または生の食物原料(大量の塩・コーンフラワー等)である。診断の要件は三つある。第一に、食べられるものと食べられないものを区別できることが期待される発達段階(典型的には 2 歳前後以降)に達していること。第二に、その行動が、頻度・量・摂取物の性質からみて、健康への損傷もしくは重大なリスク、または機能の障害をもたらしていること。第三に、その症状・行動が、他の医学的状態(栄養欠乏等)の現れとして説明されないことである。ビタミン B12・葉酸・鉄の欠乏による貧血等では土などを食べたい欲求が生じることがあるが、この場合、欠乏が是正された後も行動が続くのでない限り、本症とは診断されない。本症は、知的発達症および自閉スペクトラム症との併存が比較的多く認められる。文化的に受け入れられている地食(geophagia、土を食べる慣行)——アフリカの一部、米国・インドの一部の地方にみられる——は、その行動が臨床的注意を要するほどの量に達しない限り、本症の診断対象とならない。
反芻-吐き戻し症(6B85)は、いったん飲み込んだ食物を意図的に口に戻し(吐き戻し)、再び噛んで飲み込む、または意図的に吐き出すことを繰り返す障害である。発達年齢が少なくとも 2 歳に達した者に対して診断される。診断には、吐き戻しの行動が頻回(少なくとも週に数回)であり、少なくとも数週間にわたって持続していることが求められる。また、その行動が、逆流を直接引き起こす医学的状態(食道狭窄、神経筋疾患等)や、吐き気・嘔吐を引き起こす状態(幽門狭窄等)の現れとして説明されないものでなければならない。本症の吐き戻しは、舌や腹筋の収縮、咳の利用などによって意図的に引き起こされるのが特徴であり、不安の軽減または快の感覚と関連することがある。知的発達症および自閉スペクトラム症と併存する場合、この行動が自分をなだめる、または自分に刺激を与える機能を担っていることがある。
これら二症に、本書の関係諸職種が成人領域で直接出会う頻度はそう高くない。しかし、知的発達症および自閉スペクトラム症の臨床に関わる場面では、これらが本群に分類されていることを知っておく必要がある。
本群を成人領域で扱う際の留意点として、次の四点を挙げておきたい。
第一に、神経性やせ症は精神疾患のなかで最も高い死亡率を示す疾患群の一つとされる(この位置づけは疫学研究の知見による。CDDR も、本症が飢餓の医学的合併症または自殺による早期死亡と関連することを記している)。したがって、本書の関係諸職種にとっての医療連携の判断は、本人の身体的な危険度の評価と切り離せない。CDDR は、本症の医学的リスクを体重の水準だけで判定すべきでないことを強調する。急速な体重減少(とりわけ児童期)、起立性低血圧(立ち上がったときの血圧低下)、徐脈または起立性頻脈、低体温、不整脈、生化学的異常を含む、包括的な身体評価が必要である。本書の関係諸職種は、これらの所見が本人の臨床経過のなかで見過ごされないよう、身体科の同僚との連携の枠組みをあらかじめつくっておくのが望ましい。
第二に、本症の臨床像における文化的多様性への留意である。CDDR が指摘するように、アジア圏では、体重増加へのはっきりとした恐怖を中心症状として表現しない患者群が一定の比率で存在する。胃腸の不快感や、宗教的・文化的な動機を摂食制限の理由として挙げる患者である。ICD-11 において体重増加恐怖が必須の要件から外されたのは、こうした臨床像を診断から取りこぼさないための明示的な措置である。ただしこの場合も、摂食制限が体重を減らす、または体重増加を防ぐ意図に動機づけられていることを、臨床的観察または周囲からの情報が裏づけている必要がある。本邦の臨床でも、「太りたくない」という表明が乏しいまま摂食制限が進行する症例に出会うことがある。そうした場面で、この CDDR の枠組みが診断判断の支えとなることを、本書の関係諸職種は知っておくとよい。
第三に、むちゃ食い症をめぐる偏見の問題である。本症は、肥満との連続性のなかで「自業自得」「単なる食べすぎ」と見なされやすく、医療および職場の場面において、他の精神疾患以上に偏見の対象となりやすい。本症の発症リスクが、社会的少数者であること、貧困、暴力、トラウマへの曝露と関連することは、疫学的に示された事実である。この事実は、本症の評価において社会的・経済的な文脈の理解が必要であることを意味する。本書の関係諸職種は、本症を呈する患者の評価において、症状を本人の意志の弱さのせいにするような見方に陥らないよう注意することが重要である。それが、治療への動機づけと支援関係の確立につながる。
第四に、本群と他の精神疾患との併存および鑑別である。本群は、第 6 章で論じた強迫症、第 7 章で論じたストレス因関連症群、気分症群、不安または恐怖関連症群、パーソナリティ症との併存が頻繁である。回避・制限性食物摂取症と第 1 章で扱った自閉スペクトラム症との併存については、感覚的な過敏さに基づく食物制限を理解することが、両症を臨床的に捉えるうえでの共通の足場となる。第 2 章で論じた統合失調症および他の一次性精神症群との関係では、次の点が重要である。神経性やせ症の患者に認められる「太っている」「カロリー摂取が過剰である」といった信念は、それが食物・体重・体型に関する範囲にとどまる限り、本症の精神病理の一部として理解される。別個の精神症の診断を追加する必要はない。
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